そうは言っても、おにいちゃんは女好きじゃないし、飽き性ってわけでもない。

その辺のクズ男たちとは違うと信じている。

……でも、自分が付き合った人数を覚えていないのはさすがに味方になれない。

そこは最低限覚えておかなきゃいけないでしょ……と、冷めた目を向ければ、愛しのいもうとからの攻撃は効果抜群だったらしく、おにいちゃんはちょっと涙目になった。

可哀そうに見えるけど自業自得だもんね。ふんっ!


「……どうしてなのかわからないんだけど、僕の方がふられちゃうんだよ。最後はみんな怒ってデート中に帰っちゃうんだ」

「それはおにいちゃんがデート中になにかしたんでしょ。ってか、揃いも揃ってデート中にふるってよっぽどだよ」

「普通にデートしただけだよ!」


僕は無実だと言わんばかりに声を荒げるおにいちゃん。

元からパッチリしている目をさらにおっきくしている。さすがおにいちゃん、かっこよさは変わらない。