ほんとに不愉快……。
「ストーカーごときがわたしに触んないでよ!」
「は?なんだよそれ。ストーカー?運命の人の間違いだろ?なぁ、なんでそんなこと言うんだよ。あ、もしかしてあいつのせいなのか?あいつがいるから俺のことをそんな風に言うんだろ?あいつが消えればお前は俺だけを見てくれるようになるよな?」
「ち、近づかないで」
「ってか、あいつも俺と同類なのになんであいつは良くて俺はダメなんだよ。そんなのおかしいだろ。俺だってそこそこ顔はいいし、お前のためならなんだってできるし、俺が一番お前のこと愛してるっていうのに!」
「いやっ……!」
「はぁーいい匂いがする……今日はお気に入りの香水をつけたんだな。これすっげー好きなんだよ」
わたしが拒否し続けてもなお、わたしのことを運命の人だと言い張って自分の想いを押し付けるストーカー。
わたしのお気に入りをお気に入りだとわかっているところがまた恐ろしい。
大好きなおにいちゃんとのお出かけのためにつけたものでさえ、自分のためにつけたんだと思い込んでそうだ。



