序文
もうすぐ春になるころ、ぼくと老いらくさんは、パントーを連れて、ペット曲芸学校にやってきた。パントーが自分でやりたいことを見い出せずに、一日中ぶらぶらしていたので、見るに見かねて、何とかしてやらなければと思ったからだ。パントーがペット曲芸学校で希望の光を見い出して、自分に自信を持ってくれたらいいなあと、ぼくも老いらくさんも思っていた。 パントーはペット曲芸学校でピアノに興味を見い出して、一生懸命、ピアノの練習に励むようになった。
そんなある日、パントーは公園のイチョウ並木のなかで、不思議な男の子と出会った。その子は普通の子とはとても違っていて、まるで地球の外からやってきた子のように思えた。パントーは、その子と親しくなって、不思議なほどに温かい交流を重ねていった。そして信じられないような出来事がたくさん起きた。その子は本当に宇宙からやってきた子ではないだろうか。