そんなことを扉の前で話していたら、「運命の相手じゃない?」と注目を集め始めた。慌てて琴葉の手を掴み、その場から逃げ出す。繋いだ手は、お互い手袋をしてないから冷たくて、でも数年ぶりに繋げた手の感触が嬉しい。

「ちょっと、雄飛!止まって!」

「あっ、ごめん!」

琴葉と手が離れ、一瞬で手が冷気に触れる。俺の前で琴葉はゼエハアと荒い息を吐いた。そうだ、俺は運動部で体力があるけど、琴葉は文化部だった。

「ごめん、大丈夫?」

「大丈夫じゃない!」

琴葉に目線を合わせるためにしゃがむと、琴葉の顔は真っ赤になって恥ずかしそうにしていた。

「私の運命の相手、雄飛になっちゃったけどいいの?」

「えっ?」

運命の相手、それが琴葉でホッとしているし、嬉しいくらいだ。運命とかそういうの信じられないけど、琴葉とならって思ってる。

「学校で噂になるかもよ?運命の相手、将来結婚式するの楽しみにしてるって。そんなの嫌だよ……」

琴葉は恥ずかしそうに俯く。その姿が愛おしくて、俺は琴葉のおでこに自分のおでこをぶつける。

「琴葉なら大歓迎。ていうか、琴葉じゃなきゃ嫌だな」

クリスマスが繋いでくれたこの気持ちが、いつまでも突きますように……。