だが、そんな日は数年経っても来なかった。


年数を重ねるたびに白蘭のことばかり想ってしまう。


そして私は白蘭に会えるわけもないのに一縷の望みをかけて人間界へと行った。


白蘭はあの新月の日から人間界に来なくなった。


婚儀も終わり皇太子の正室となれば多忙なのも仕方がない。


「月影様…」

「すまない兎月。一人にしてくれ」

「はい。では兎月は先に天界にいます」


兎月が気遣ってくれるが私の心の傷は、なかなか治りそうもない。


人間界では何度も季節が廻り今は冬だ。


「…雪だ」


今日は寒いと思ったが雪が降るとは。