次の日も、次の日も白蘭は一人で出かけたがった。


本当は家の中にとどめておきたいが、そんなことはできない。白蘭は自由でいる時が一番輝けるのだから。


紅蓮に会ったところで、どうということもない。


記憶を取り戻す方法が見つかったのだから。天女の翼はそう簡単に死にはしない。白蘭の斬られた羽はおそらくまだ生きている。


玲心が大事に保管していることだろう。


その羽を再び白蘭に戻せば人間ではなくなり記憶も取り戻せる。


「月影。月影!今日は何か買ってくる?お肉はいらないから、お茶でも買ってこようか?」

「ああ、そうだな。では茶を頼む」


かわいい白蘭。何も知らず私を見る白蘭。


今日も白蘭を見送ろうとした時、空から人がやってくる気配がして引き止める。


やはり来たか。白蘭を合わせたくなかったが仕方ない。