私を助ける気ならこれで出てくるはず!


体を丸めていると、足音がすぐ近くまで聞こえてきた。


「白蘭っ!どうした!白蘭」


心配そうに私の名を呼ぶ男が駆け寄ってくる。


抱き起こされたところで、私はパッと目を開けて男の腕をつかんだ。


「捕まえたっ」

「!?」


男は驚いた顔で私を見ると、すぐに逃げようとする。


「ちょっと!待ってよ!」

「っ」


逃げたいのに男は私の手を振り払わなかった。


それをいいことに私は男の手を握って引き止める。


「いいから。ここに座って!」

「…」

「はやくっ」


迷った後におとなしく座る姿はなんだかかわいくみえた。