「月影は薬を作る役で私は売りに行く役なの!あなたが両方やったら役割分担の意味ないじゃない!!」

「しかし…」

「ほんとに過保護ね!何度も売りに行ってるんだし大丈夫よ!」


強引にそう言って薬を月影から奪う。


彼は困ったように笑ったあと、やっと折れた。


「気を付けるのだぞ」

「はいはい。行ってきます」


白蘭が一人で行きたがるのは理由があった。


実はあの黒い男に会ってからというもの、その存在が気になって仕方なかったのだ。


月影は会わないで欲しいというけど私のことを知っているなら教えてもらわないと。