「蘇芳・璃桜。あの女の羽の様子は?」

「相変わらずです。見に行きますか?」

「そうだな。あの姿を見ると心が落ち着く」


蘇芳と璃桜を連れて向かったのは魔宮の端にある隠し部屋だ。


魔宮に来ることが多かった玲心は魔后から、この部屋を賜ったのだった。


時に侍女への懲罰部屋として、時に死体保管庫として使った。


今はあの女の羽を保管している。


「…」


中に入ると、いつものように羽が目に飛び込んだ。


白蘭の羽は私のことを待っていたかのように暴れた。