天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~

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【魔界】


腹立たしい。


あの女は死んだというのに、もういないというのに。


紅蓮はいまだに私のことを受け入れぬ。


白蘭がいなくなってから、私はすぐに魔后に婚姻の話を持ち掛け魔帝も魔后も反対しなかった。


危惧していた紅蓮は反対さえしなかった。


あの女がいなくなってから誰のいうことも聞かず虹彩樹の庭に籠ったきりだ。


そうして何年も経ち私が正室の宮に移動しようとした時にやっと出てきたのだ。


数年ぶりの再会に心が躍った。


やっと白蘭との思い出を捨て私を見てくれると。