「ごめんなさい。おばあさん、残念だけど私は薬師様の家族ではないのよ。お代はいただけないわ」
「そうかい…あまりにも似ているからそうだと思ったけれどもう五十年も経つから探せなくて当然よね…」
五十年もこの人は薬師様をさがしてるのね。
「きっと見つかるわ」
「ありがとう。お嬢さん。じゃあね」
そうして、おばあさんは去っていった。
街に夢中になっていたけれど私は薬を売りに来たんだった。
すぐに道の端によって白蘭は薬を売り始めた。
「薬はいかがですかー?」
「腰痛に効く物はありますか?」
えーと、腰痛。腰痛。これか!
「こちらです!」
「おおっ!お嬢さん、龍先生の薬売りなのか!!ついてるなっ!」
「龍先生?」
「薬の袋に龍の絵柄が書いてあるだろう。よく効くって有名だよ!」