「…では人間界へ行っては?」


筆を止める紅蓮。


『紅蓮も今度一緒に行こう』

『…人間界が見たい』


いまでも昨日のように覚えている言葉だ。


結局、人間界に一緒に行ってやることも出来なかった。


あんなことになるなら禁足令など無視して連れて行ってやれば良かった。


忘却湖なんかに行かずに…。


「紅蓮様?」


朱雀に声をかけられ現実に戻る。


「そうだな…人間界に行ってくる」