天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~



一方的にやられたであろう紅蓮の怪我を見て白蘭は聞いた。


「なんで抵抗しなかったの?あなたの武術の腕は相当じゃない」

「白蘭の無事を確かめたくて」


私のために、その美しい顔まで切り付けられたというのか。

白蘭は涙を浮かべ思い切り紅蓮に抱き着いた。


「馬鹿じゃないの!私のためにわざわざ危険な場所に来ることないじゃない!」


抱きしめ泣く白蘭に対して紅蓮は嬉しそうに笑った。


「なんで笑うのよ」

「そなたに心配してもらえるのが嬉しくてな」

「こんな時まで冗談言わないでよ。本当馬鹿なんだから」

「あまり馬鹿だというな。…まるで自分が氷輪になったみたいだ」


いつも通りの会話に安心し白蘭も少し笑顔になる。