一方的にやられたであろう紅蓮の怪我を見て白蘭は聞いた。
「なんで抵抗しなかったの?あなたの武術の腕は相当じゃない」
「白蘭の無事を確かめたくて」
私のために、その美しい顔まで切り付けられたというのか。
白蘭は涙を浮かべ思い切り紅蓮に抱き着いた。
「馬鹿じゃないの!私のためにわざわざ危険な場所に来ることないじゃない!」
抱きしめ泣く白蘭に対して紅蓮は嬉しそうに笑った。
「なんで笑うのよ」
「そなたに心配してもらえるのが嬉しくてな」
「こんな時まで冗談言わないでよ。本当馬鹿なんだから」
「あまり馬鹿だというな。…まるで自分が氷輪になったみたいだ」
いつも通りの会話に安心し白蘭も少し笑顔になる。


