どういうことなの…。


警戒し後ずさりする白蘭に衛兵は言った。


「街外れの家に住んでいる白蘭だな。お前が龍の医者だという情報があった。同行してもらう」

「ち、違います!」


否定するも、聞いてもらえず手枷を付けられ衛兵に無理やり連れてかれる。


木蓮も白蘭も連れていかれないように抵抗したが女二人では無理があった。


すぐに引き離され馬に乗せられる。


「白蘭!待ってな!すぐに紅蓮に知らせるから」


最後に見たのは必死になって叫ぶ木蓮さんの姿だった。


数日馬を走らせると、あっという間に王都についてしまった。にぎやかな街を抜け立派な大門の前に行くと馬が止まり目隠しをされ歩かされる。


もしかして王宮の中かしら。緊張と不安で手に汗が伝った。


衛兵達は乱暴ではなかったが決してやさしいわけでもなかった。


目が見えない状態でつまずいたり転んだりするとすぐに起こされる。最終的にもたもたしている白蘭に我慢ならなかったのか、衛兵に担ぎあげられ運ばれた。


馬に揺られ転び白蘭はすでに、へとへとだった。


そして突然下ろされる。目隠しを取られ、眩しさに目をつぶり何度か瞬きをするとやっと慣れ始めた。


目の前には高級そうな衣を着た宦官が怪しむようにこちらを観察している。