朱雀…紅蓮の側近か。
朱雀と呼ばれた男は囚われながら玲心に声を荒げた。
「玲心!よくも!!」
なにやらもめそうだな。だがここから先は関係ない。
「玲心、命拾いしたな。このことは他言無用だ。もし話せば貴様をすぐに切り刻む。ではな」
月影は言い残すとすぐに天界へと帰った。
『白蘭と紅蓮は今、一緒にいるそうよ』
…構わない。白蘭に羽を戻せば済むことだ。記憶を取り戻し私の元に帰ってくるはず。
月影は取り戻した羽をキュッと抱きしめた。羽から垂れた血が衣を汚したが、気にならなかった。
自分の宮に戻る前にその足で牢へ向かった。
一応、天后の最後の夜だ。顔でも見ようと思ったのだ。


