「なんだ?出来ないか」
「魔后殿下は同族よ!できるわけがない!!」
「そうか。ならばこのまま死ねばいい」
首にかけた手に徐々に力を入れる。
窮地に陥ったところで玲心は決心した。
「やるわ!殺すわ!」
「そうか」
「でも私の法術では殺せないわ」
「では私が力を与えよう。幸い私の法術は驚異的でな。魔后を殺せるほどの法力を与えることなど造作でもない」
「わかったわ」
「では契約成立だ」
月影は玲心の首から手を離した。
そしてお互いの手を傷つけ血をにじませると手を合わせた。手を合わせると互いの血液が傷口から入り込み体が記憶する。これで血の盟約は完成した。
両者共に白蘭と紅蓮を攻撃しないこと。
そして玲心は魔后を殺すことを約束した。
契約が終わり白蘭の羽を手に入れた月影は帰る前に、一部始終を隠れ聞いていた者を法術で捕まえ玲心に差し出した。
「いつから聞いていた!朱雀!!」


