天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~



「なんだ?出来ないか」

「魔后殿下は同族よ!できるわけがない!!」

「そうか。ならばこのまま死ねばいい」


首にかけた手に徐々に力を入れる。


窮地に陥ったところで玲心は決心した。


「やるわ!殺すわ!」

「そうか」

「でも私の法術では殺せないわ」

「では私が力を与えよう。幸い私の法術は驚異的でな。魔后を殺せるほどの法力を与えることなど造作でもない」

「わかったわ」

「では契約成立だ」


月影は玲心の首から手を離した。


そしてお互いの手を傷つけ血をにじませると手を合わせた。手を合わせると互いの血液が傷口から入り込み体が記憶する。これで血の盟約は完成した。


両者共に白蘭と紅蓮を攻撃しないこと。

そして玲心は魔后を殺すことを約束した。


契約が終わり白蘭の羽を手に入れた月影は帰る前に、一部始終を隠れ聞いていた者を法術で捕まえ玲心に差し出した。


「いつから聞いていた!朱雀!!」