「あの子が好きなのね」
「…黙れ」
「じゃあ紅蓮が憎いでしょう?殺したいほどに」
「貴様と同じにするな」
「あなたがいくら想っても無駄よ。白蘭は紅蓮を愛しているもの」
そんなことはわかっている!
「交換条件をしましょう?」
「この状態で条件を持ち掛けるのか」
「私は紅蓮が好き、あなたは白蘭が好き。私達を置いてあの二人だけ幸せになるなんて許せない。ならば二人を切り裂いて私達がそれぞれ幸せになるなんてのはどう?」
「…」
「先ほど、私の従者二人を人間界に行かせたところ白蘭が生きていることを知ったわ。そして白蘭と紅蓮は今、一緒にいるそうよ」
「!?」
なんだと…。
月影の心が揺れ力が弱まったのを玲心は見逃さなかった。


