天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~



「…っ」


なんということか。何度も何度も杭を打たれたのか純白の羽は赤黒くなっていた。


「白蘭」


優しく名を呼ぶと力なく羽はパタパタと動いた。


もっと早く来るべきだった。


杭を取ろうとしたとき誰かの声がした。


「…誰か…いるのか…?」


声のした方をみると奥の部屋に水牢につながれた神がいた。


玲心…神にまで手をだしたか…。


炎狐ごときが神に手をだすとはな。どんな神かは知らないが魔界の神も落ちたものだ。


そんなことを思っていたら扉があき玲心が入ってきた。


玲心は私の姿を目にすると警戒をあらわにした。