一件が済むと月影は自分の宮に戻り優雅に茶を飲んだ。
すると、さっそく気鋭がやってきて聞いた。
「どうでした?」
「順調だ。天后は明日、大門前で斬首刑だ」
「天帝はすごい刑罰を与えましたね。見に行きますか?」
「いや。お前が見届けてこい。私はあの女の首切りなど見たくもない」
言うと気鋭が少し笑って「わかりました」とだけ言った。
「それよりも…」
「どうしました」
「氷輪を何とかしなければ」
氷輪が声をかけたとき一瞬天帝に迷いがあったのを月影は見逃さなかった。
それに氷結針も使える。今後、脅威になるやもしれん。
「殺しますか?」
「いや…考えがある」
「この件は私に任せろ」
「はい」


