「そんな…」
「明日、大門前で斬首刑に処す」
それを聞いた途端、氷輪が顔をあげた。
「そんな!大門前でなんてっ。父上、ご再考ください!!」
「…」
前の月影であれば氷輪に口添えしただろう。しかし今の月影はそのようなことは微塵もする気にはならなかった。
「父上!母上は長年天后として父上を支えてきました!そんな母上を大門前で見世物のように殺すのですか!」
「…黙れ!」
「黙りません!天界には様々な刑があります。わざわざ惨い刑罰を与えなくても良いではないですか!父上、ご再考ください!!!」
何度も頭を床にこすりつけて訴える氷輪。額には血が滲んだ。
だが、天帝にはその訴えは届かなかった。
「…覆ることはない。決してな。衛兵!この二人を牢に入れておけ!氷輪!お前の罰は後日言い渡す!以上だ!」
「父上!!」
抵抗する氷輪だったが一人では何も出来ず、結局衛兵に連れていかれた。


