天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~



言い渡された瞬間、天后が目を見開き他の神達がざわめく。


大門は天宮の入り口の門だ。その前で斬首刑するとは民や他の神達への良い見せしめとなるだろう。


しかし謀反人や逆賊の殺され方のそれは高貴な身であった天后にとってあまりにも屈辱的だった。


長年、天后を務めた者に対する処遇ではないと天帝と月影以外の神は思ったが誰もかばおうとはしなかった。


「父上!!」


絶望する天后を無視し話を終えようとした天帝の元に突然声が掛かった。


氷輪だ。


氷輪は阻止する衛兵をなぎ倒し天帝の元に跪き母親の命乞いをした。


「父上!母上がこのような事をするはずがありません!」

「事実だ!調べはついた。証もある」


天帝の初めての怒鳴り声を聞いて体をびくつかせながら母親をみる氷輪。


「母上…事実なのですか?」


天后は愛する息子の前で静かに頷いた。