勘違いだと思ったが白蘭が移動する度に二人の視線も移動した。
二人の顔は布で隠されていて表情がわからない。
なぜ私のことを見るのか、もしかしてかつての私の知り合いだろうか…。
不思議に思っていると突然強風が吹き二人の布が捲れた。
風に目を細めながらも二人の顔を見て白蘭は小さく悲鳴をあげた。
同じ顔に酷く焼け爛れた頬。目はこちらを睨むようにギラギラと輝いていた。
そんな目立つ二人なのに、街にいる人は誰も気づいていないようだった。
私にしか…見えていないの…
不気味に思った白蘭は足早に家に帰った。
後ろを振り向くともうあの不気味な双子はいない。
「白蘭!」
「わっ」
安堵した途端、突然声をかけられて驚く。


