「わかった。しばらく薬は置きに来ないわ」
「そうしなさい。もしお金がなくて暮らしに困った時は私に言うのよ?力になるから」
「ありがとう木蓮さん…でも、お金は月影が…龍先生が残してくれてるし紅蓮もいるから大丈夫よ」
「そう…」
「そろそろ帰るわ。紅蓮にもこのこと知らせなくちゃ」
「気を付けて帰るのよ?」
「わかったわ」
心配そうに見送ってくれる木蓮さんに、お礼を言い店を出た。
不安ながらも白蘭は大丈夫だと信じた。
しばらく歩くと視線を感じ顔をあげる。
あげると、二人の人がこちらを見ていた。体格からして女の人だろう。
私のことを見ているのかしら。いやそんな事ないわね。きっとさっきの話で敏感になってるんだわ。


