天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~



「一線を越えてないってことは可愛く甘えたわけではないわね」

「なんでわかるの?」

「いい?美しい女子に甘えられれば、どんな男だっていちころよ。ましては紅蓮のような年若い男ならなおさらよ!修行僧や同性愛者じゃないかぎり絶対手を出すはずだもの」

「じゃあ私は…」

「目が腫れてないから泣いてはいないわね。だから…きっと攻撃的になったんだわ」


木蓮に言われ白蘭は血の気が引いた。


「紅蓮の顔とか腫れていなかった?」

「そういえばおでこが心なしか赤かったような…」

「ほらね」


木蓮が残念だというふうにうなづいた。


「私ったらなんてことをっ。だからあんな態度だったんだわ」

「怒らないでいただけ紅蓮は大人ね」

「木蓮さん!私、謝ってくる!」