「一線を越えてないってことは可愛く甘えたわけではないわね」
「なんでわかるの?」
「いい?美しい女子に甘えられれば、どんな男だっていちころよ。ましては紅蓮のような年若い男ならなおさらよ!修行僧や同性愛者じゃないかぎり絶対手を出すはずだもの」
「じゃあ私は…」
「目が腫れてないから泣いてはいないわね。だから…きっと攻撃的になったんだわ」
木蓮に言われ白蘭は血の気が引いた。
「紅蓮の顔とか腫れていなかった?」
「そういえばおでこが心なしか赤かったような…」
「ほらね」
木蓮が残念だというふうにうなづいた。
「私ったらなんてことをっ。だからあんな態度だったんだわ」
「怒らないでいただけ紅蓮は大人ね」
「木蓮さん!私、謝ってくる!」


