そして、ゆっくりと懐から石を取り出した。
「…天空石が、光っている…」
月影が信じられないという表情で石を眺めていた。天空石と呼ばれた石は白い光に包まれている。
「綺麗な石ね」
私が横からその石を指先でつつくと余計光は強まった。
「白蘭…そなた」
「どうしたの?そんな驚いた顔をして」
「…そなたなのか?」
「…ちょっと大丈夫?」
いつもの様子ではない月影に声をかける。
「そなたなのだな」
「私が…何?」
「…これは私の許婚の場所を示してくれる物だ。諦めていたのだが…そなただった」
月影が嬉しそうに私を抱きしめる。
私が許婚ってこと?


