次の日から紅蓮は酒屋に働きにでた。


皇太子だという彼が働けるのか心配で一度酒屋を覗きにいったが、心配する必要はないみたいだ。


紅蓮は覚えが早く力もある、男三人がかりで持ち上げる物も一人で軽々と持つようだ。


「ねえ。白蘭。酒屋の紅蓮って人ってまさかあなたの家の人?」


木蓮さんと食事処で一緒に食べていると、そんなことを聞かれた。


「そうだけど…」

「大変よ?街の女子の中でいま人気急上昇よ!」

「ええ?」


力仕事だから表立って目立つわけでもないのに、そんなに話題になっているとは…。


「人並外れた力と容姿。左目の仮面がまたミステリアスってことで噂になっているわ。さすがの白蘭も焦るんじゃない?」


ニヤニヤと笑う木蓮さん。


「べっ別に焦ったりしないわよ…」