「夜中の仕事になるから、そなたと会えなくなる…」

「あ…そう」


嫉妬してた自分が馬鹿みたいで恥ずかしくなる。


「逆になぜ酒屋がいいと思ったんだ?」


消去法とも言えないわ…。


「お酒が好きだからよっ」

「そうか?」


疑いの目で見てくる紅蓮に私は大げさに答えた。


「疑っているんでしょ?木蓮さんと酒飲みをして勝ったこともあるくらいには強いんだから!」


嘘だ。酒なんて飲んだこともないからどれだけ強いかもわからない。

しかも食事処で働いている木蓮さんは酒豪で有名なのだ。

それに勝ったなんて、さすがにばれるかとも思ったが紅蓮は笑うと言った。


「そうか。ではここにする」