一心は拳を握りしめ言葉を続けた。


「善良で天帝に忠実であった白蛇族が謀反を起こすなどありえない!」


一心の言葉に息子の気鋭も力強く頷いた。


そして月影は二千年経っても白蛇族と白豹族の主従関係が消えていないことを確信した。


「…その通りだ。母上の一族は謀反など起こしてはいない」


言うと二人がパッと顔をあげた。


「これに見覚えは?」


翡翠の腕輪を見せると一心がすぐに答えた。


「これは月影様のお母上様がはめていたもの…」

「そうだ。私はこの腕輪を使い記憶水晶の間で真実を見た。白蛇族は天帝と天后の策略にはまり陥れられたのだ」

「…なんという」