「香林、下がっていろ」


香林を背に朱雀は難なく術を防いだ。


防ぐと共に熱風で庭にある草木が燃えた。


紅蓮には劣るものの朱雀は魔界の戦将軍かつ紅蓮の従者だ。魔宮で朱雀に敵う者もそう多くはいない。


炎狐族の長である玲心も朱雀にはかなわなかった。


「ふんっ」


火炎術をしまい玲心は物凄い形相で朱雀をにらみつけた。


「今の無礼忘れぬぞ!私が魔后になったとき返してやる」

「さあ、その日は来ますかな」

「何事ですか!?」


朱雀と玲心が争っているのを聞きつけたのか侍女長の雪梨がやってきた。


「「侍女長様」」