気が付くと朝になっていた。 先ほどは冬だったのに外は春になっていた。 もう体も痛くない。 私どれくらい寝ていたのかしら。 ゆっくり体を起こし周りを見渡した。 狭い家。それに古い。ここは薬屋かしら。 カタンと音がして誰かが入ってきた。 青い衣に白い簪をさした美しい男だった。 男は私が起きていることに驚いたあと、すぐに笑顔でこちらに来た。 「白蘭。起きたか。体はどうだ?」 妙に親しげに話しかけてきて距離感が近い。