後ろで黒鳳炎が黒く燃えていた。


そしてこの世で一番愛しい人を燃やしたのだった。


「延輝っ」


延輝、生きるわ!この子を産むまでは死ねない!


必死に翼を動かし魔帝の兵をまき気が付くと魔界の果てにある森に落ちていた。


「ここは…」


ここは魔界の果てにある森。呪神羅刹が住まう場所だ。


「…天女様。なんと嘆かわしい」

「羅刹なの…?」


近くに気配を感じ声をかける。土蜘蛛の姿を見せまいと縮こまる羅刹を私は優しくなだめた。


「…羅刹。あなたが助けてくれたのね。ありがとう」

「私のような醜い姿、天女様にはお見せできません…」

「大丈夫よ。いらっしゃい」