【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに幸せと愛を乗せて〜



 天野川さんから紙袋を渡されたお母さんは、その中身を見て目を見開いた。 

「えっ!? あ、これって……」

「山形屋のバームクーヘンです。 父親の大好物でして、父親が持って行けと」
  
「あら、ありがとうございます」

 山形屋のバームクーヘンって……。マジか!?

「所であの……。娘とはどこで知り合ったのですか?」

「娘さんとは、とあるカフェで会いまして。そこで知り合って、仲良くなりました」

 と天野川さんが言うと、お母さんは「あら、そうなんですか」と言った。

「由紀乃さんはとても明るくて、スイーツを食べている姿が印象的で……。思わず由紀乃さんの姿に、見惚れてしまいました」

「あらあら、そうなんですか……」

 ええっ……。なんか全然エピソードが盛られているような気がする。 

「あの、お母さん。由紀乃さんと結婚させてください。……必ず、由紀乃さんを幸せにします」

 真剣な眼差しでお母さんにそう告げる天野川さんを見て、わたしはちょっとだけドキドキしてしまっていた。
 今まで感じたことのないドキドキで、胸が一杯になりそうだった。