「さ、早くご飯食べちゃおう」
「ああ」
大翔さんと出会えなかったら、わたしは今頃何していただろう……と考えるけど、きっと一人寂しくスイーツを食べて一人で寂しく過ごしていただろうな。
ましてや、結婚なんて考えてもいなかっただろう。 わたしはそもそも、結婚願望すらなかった人間だし。
「やっぱりチキン南蛮が美味い。ご飯が進むな」
「ふふふ。そうでしょ?」
でもわたしは、本当に結婚して良かった。こうして大切な人が出来て、ずっと隣で笑っていたいと思える存在が出来たのは、わたしの人生の中では大きな出来事だ。
泣いたり笑ったり挫けたり、色んなことがあったけど、結局わたしは大翔さんと過ごすこの時間が何よりも大好きなんだと思う。
大翔さんと一緒にご飯を食べて笑い合ってることが、一番素敵だと思えるのは充実してるからかな。
「ごちそうさまでした」
「お粗末さまでした」
ご飯を食べ終えた大翔さんの背中を見て、わたしはもう話してもいいかなと思い、大翔さんに「大翔さん。わたしね、大翔さんに話したいことがあるの」と伝えた。
「ん?話したいこと?」
「うん。ちょっとここに座って」
わたしは大翔さんにソファに座るように促した。
「由紀乃?話って?」
「ちょっと待ってて」
わたしはリビングの引き出しからあるものを取り出し、それを手に大翔さんの隣に座った。
「大翔さん、これ見て」
わたしは大翔さんにあるものを見せた。



