【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに幸せと愛を乗せて〜



「……スイーツ、部門?」
 
 確か株式会社スリーデイズって、元々冷凍食品とかを作っている会社だよね?
 わたしも前からよく食べてるけど、結構美味しいものばかりだ。
 それがなぜか……今度はスイーツ?

「ああ。 今回のそのスイーツ部門を立ち上げたのは、俺なんだ」

「え、あなたが?」

 天野川大翔本人が、スイーツ部門を立ち上げたの? それも意外だな……。

「そうだ。……それで君に、折り行って頼みがあるんだ」

「頼み? わたしに……ですか?」

 わたしに頼み?……なんか分からないけど、イヤな予感しかしない。

「ああ。 君にそのスイーツ部門を、手伝ってほしいんだ」

「……はい?」

 え、手伝う……? わたしが?天野川大翔を手伝う……?
 
「君はたくさんのスイーツを食べているだろ?君のその味覚を、借りたいんだ」

「えーっと……」 

 その答えに、なんて返せばいいのか分からない。

「もちろん、タダでとは言わない。手伝ってくれたら、それなりに報酬を出そう」

「報酬……?」

 報酬って、言われても……。そんなこと、簡単に決められることじゃない。
 
「君さ、俺の妻にならないか?」

「はい?」
 
 い、今なんて……?