【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに幸せと愛を乗せて〜



 冷蔵庫から取り出したアップルパイをお皿に乗せて、大翔さんの前に出した。

「大翔さんがお墨付きをくれたパイ生地にもバニラエッセンスを使って風味を出したから、リンゴの方にもバニラオイルを加えてみたの。……良ければ、食べて感想がほしいの」

「俺でいいのか?」

「大翔さんがいいの。……大翔さんに認めれられたアップルパイが、いいの」

 大翔さんは「わかった」とフォークを片手にアップルパイを試食してくれた。 

「……どう?」

 すると大翔さんは「うん、美味い」と言ってくれた。

「本当に? 本当に美味しい?」

「美味いよ、本当に。 この前食べたアップルパイよりも、さらに美味いアップルパイになってると思う」

「……良かった」

 美味しいアップルパイを作るためには、わたしたちは絶対に妥協はしないと決めている。死ぬ気で本当に美味しいアップルパイを作ることを目標としてる中で、この言葉は嬉しいしかない。

「リンゴの香りだけじゃなくて、由紀乃の言うようにバニラのほんのり甘い香りもするし。それだけじゃない。生地から香るバターの香りに、シャキシャキリンゴとトロトロとしたジャムの食感が程よくマッチして、とても甘すぎないのに食べやすいアップルパイだと思う」

 わたしはそれを聞いて、なぜだか涙が出そうになった。
 
「煮崩れしやすい王林を使うのではなく、あえて煮崩れしにくい紅玉を使うところもいいと思った」