「い、いえ!大丈夫です……!もう出ますから!」
わたしは「失礼します!」と伝えてカバンを持つと、急いでお店を出た。
「……はぁっ」
少し歩いて、ため息をついて立ち止まる。
「全然集中出来なかった……」
スイーツも食べ損ねたし……。スイーツを食べていないから、元気が出ない。
「何か甘いもの、食べに行こうかな……」
そう思って歩きだそうとしたその時ーーー。
「なあ、そこのアンタ」
「え?」
誰かがわたしに声をかけてきた。振り返るとそこには……。
え……? あ、天野川大翔っ!?
「……え、なんであなたが?」
天野川大翔が、なぜかわたしの前に立っていた。
「ちょっと話があるんだ」
「え……わたし、ですか?」
と声を出すと、天野川大翔は「お前以外に誰がいるんだ」と言い返してきた。
「で……ですよね」
何言ってるんだ、わたしは……。
「ここじゃなんだし、ちょっとカフェにでも行かないか?」
「……まぁ、はい」
「じゃあ行こうか」
一体この人は、わたしになんの話があるというのだろうか……?
そう思ったけど、言われるままにわたしは彼の後を着いていった。



