「それより、ほら。れんに見つかる前に帰ろ? れんも結構ヤキモチ妬きだから──…」
「何適当なこと言ってんだよ」
「うわ、最悪。本人登場とか求めてないんだけど」
そのあとのこと。
わたしがナナくんと話している間に告白が終わっていたらしい蓮斗は、覗き見していたわたしたちの元にやってきて、不機嫌そうに眉をひそめた。
「つーかナナ、待ってろって言ったろ。置いて帰ろうとすんなよ」
「れん、ひとりで帰んの嫌いだよねホント。寂しいの?」
「んなわけあるか死ね」
「ちょ、死ねは言いすぎだよ蓮斗……!」
とかとかとか。
ナナくんと蓮斗の相変わらずな会話にちょっとハラハラしながらも、結局その日も3人で帰ることになったわけである。



