天城兄弟、お見通し。




​────それで、だ。



「あれ? なんか見たことある。れんと同じクラスじゃないっけ?」

「うん。たしか、天方 麗羽(あまかた うるは)……だよな?」

「へえ、かわいい名前。じゃあうるちゃんだ」

「よろしく、うるは」





引越し当日。



目の前に現れた、『天城ちゃんところの双子』。

ママから聞いていた通りふたりともモデル級のイケメンで​───同じ学校の、『不仲』で有名な天城兄弟、だったというわけである。


「うるちゃん」も「うるは」も、男の子に呼ばれるのははじめてで、不覚にもドキドキしてしまった……なんてことは、まだ誰にも言ってない。