「僕は月曜日も学校に行きますよ」

 学校にいる間ずっと押し黙っていた縁川天晴(えんがわあまはる)は、放課後、お寺のそばになってようやく声を発した。

「なんで……今まで行ってなかったんだよね……?」

「だって休んだら、僕があんな低俗な奴らに、貴方を軽んじる奴らに屈したみたいじゃないですか。それに……」

 彼は手のひらを握りしめながら前を見据える。並々ならぬ憎悪の声音に、息が詰まった。

「貴女を馬鹿にされた。僕のせいで」

 そんなことない。私のせいだ。学校で私を推してたら、間違いなくいじめにつながる。

 あれだけ私はネットで叩かれているのだ、「好きだった」というだけで酷いことを言われるのも、悲しいけど当然だ。

 今こうしている間だって、縁川天晴だけじゃなく、ほかの人だって悪口を言われてるかもしれない。