君が生きていれば、それだけで良かった。



 私の声は、男子生徒たちには届かない。

「あぁ、あれか、お前好きなアイドル死んで、ショックで声出せなくなったとか?」

 一人の声に、縁川天晴はぴくりと反応を示す。それまで無視を貫いていた彼が反応を示したことで、男子生徒たちは煌々と目を輝かせ、はやし立て始めた。

「つうかアレ? アッパレくんもしかして、アイドル自殺して失恋したから学校来たん?」

「あかりちゃんは死んでない!」

 縁川天晴は立ち上がり、男子生徒の一人を突き飛ばす。すると残り二人が顔を見合わせ、縁川天晴の胸ぐらをつかみ始めた。

「何だこいつ」