君が生きていれば、それだけで良かった。



 バイトが禁止の高校は珍しくない。お小遣いで買っているのだろうか。親がいるし、下のリビングの様子から見ても食事はきちんととっているだろうけど、不安にはなった。

 不登校だから、その分買い食いとか学校のあとどこかへ出かけたりしない分、浮くものはあると思う。

 でもなんとなく、働いてもない、バイトも禁止となると──。

「お小遣いとかお年玉を、全部グッズ代にしたりしてない……?」

「もちろん! 全投入です! 俺あかりちゃんと会うまで欲しい物とか趣味とか全然なくて、全部貯金してたので!」

 そうガッツポーズをするパーカーの袖は、だぶだぶに伸びきってしまっている。私が陰気そうだと思っていた悉くが、推し活動の犠牲故だった。

 心苦しくなって、私は「少しは自分に使えば」と呟く。