沈黙が長すぎたせいで、彼は不安に思ったようだ。ちらちら私を見ている。
「なんていうか、すみません、普通のファンじゃなくて……」
「別に」
特に、ファンの生活に引いたりとかはない。普通にごはん食べて、健康に生きてくれたら嬉しいと思う。あと飽きないでほしいとか。でも飽きさせないのはこちらの仕事だし──と思いつつ、私が今アイドルとしての目線でものを考えていることに気付いて、喉のあたりが苦しくなった。
「やっぱり引いてますよね!?」
「引いてないから。まぁ、学校に通ったほうがいいとは思うけど、私が言えた義理じゃないし」
アイドルの中には、高校に通わず通信制の高校を受験したり、高卒認定試験を受ける子も多かった。



