グループを組んでいるアイドルは人数が多い分、どうしても写真を撮るとき目立たない人間が出てくる。たいてい人気があったり事務所が一押しの子が正面……センターの位置で映るけれど、グループ内で人気がわりと同じだったり、全員をプッシュしてるグループは、この子がセンターのA版、あの子がセンターのB版という売り方もしている。
でも、うちの事務所は、私がソロであることからも場所を変えずに表情やポージング、雰囲気だけ……Aはかわいい系で、Bは大人っぽいとかでバリエーションをつけたりして、とにかく枚数を買ってもらう戦略だ。
「でも、揃えるの大変じゃない? 同い年……くらいだよね?」
縁川天晴は、だいたい私と同い年か、年下あたりだろう。そう思って言ったけれど、「一歳年上ですよ!」と、距離を縮めてきた。
「じゃあ、高校三年生? 受験じゃないの……?」
「まぁ。受験もありますけど、卒業できるかすら微妙で。だから心の隙間を 埋めてもらってて。それに、推しにお布施出来るのって超最高じゃないですか? 俺の何かが、関わってると思うとそれだけで最高ですよ。新曲出るたびに、ヤッター! って思います」
その笑顔に、きゅっと胸が切なくなった。



