かと思えば立ち止まって、ぐるりとこちらに振り向いた。 「僕、縁川天晴(えんがわあまはる)っていいます! 天晴(あまはる)って呼んでくれませんか?」 「縁川(えんがわ)さん……?」 「ありがとうございます!」 注文とは異なるのに、彼は笑みを浮かべる。腕を掴んでくる力は、色白で線が細いわりに確かな力だった。