「ごめん。さくらちゃん……でも、僕の代わりの先生もいい先生だから」
すぐ横の病室から、五十代くらいのお医者さんが出てきた。ぶつかりそうになるも、すり抜けたことで自分にはもう身体がないと実感する。
部屋の中をちらりとのぞくと、唇をとらせた水色のパジャマの女の子がいた。
すぐ後ろに人の気配を感じて振り返れば、さっき私を診ていた人とは別のお医者さんと看護師さんが話をしている。
「先生、どうでした?」
「僕じゃないと、手術受けたくないって……手術をしなければ、あの子は助からないのに……」
助からない。
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