君が生きていれば、それだけで良かった。


 病室に横たわる身体は、今も心臓を動かしながらこんこんと眠りについている。

 生きていれば、眠っていても瞼は動くなんて聞いたことがある。眼球を包んだまろいそれは石のように固まり、手首には包帯が巻かれ、確かに死のうとしていた証明があった。

 でも死ねなかった。

 口元には酸素を人工的に送り込む器具が取り付けられ、左腕にはいくつもの点滴の管がつながっている。

 どの繋がりを絶てば、私は死ねるのだろう。

 触れてみても感覚が無く、通り抜けてしまう。軽いチューブ一つ持ち上げられない。

 まるで、プロジェクションマッピングとして投影されているみたいだ。今や私は、真っ白な寝台に影すら落とすこともできない。