亜紀、嘘だよな、俺以外の男と結婚だなんて……

しかも病気だなんて、大丈夫だよな、命に関わるなんて事ないよな。

俺はパニックを起こしていた。

まず、病院の医師に亜紀の病状を確認した。
「こちらに入院している水本亜紀さんの病状を教えて頂きたいのですが」

「水本亜紀さんとはどのようなご関係でしょうか」

「結婚を約束した恋人同士です」

「そうですか、こちらが承っております水本亜紀さんのご結婚相手は刈谷秀様との事です、刈谷様以外は個人情報をお教えする事は出来かねます」

「あいつが勝手に言ってるだけですよね」

「いえ、水本亜紀様ご本人からの情報です」

どう言う事だよ、亜紀。

俺は取り敢えず病院を後にした。

俺は健から助言を求める為、事の成り行きを説明した。

「亜紀が病気?命に別状はないのか」

「いや、病院の医師に確認しようにも、あいつ以外にはストップがかかっている」

「あいつって誰だよ」

「亜紀の結婚相手の刈谷秀だ」

健は驚きを隠せない様子だった。