昼ご飯を一緒に食べよう。
昼休み、私の教室に現れた犀川くんはそう言った。
突然私のクラスに来たから、クラスメイトたちがざわついていた。
目立つからやめて……と思いながら、断る理由もないので大人しく着いていくことにした。
昨日は会えなかったので、会えてちょっと嬉しかったのは秘密だ。
「どこ行くの?」
「生徒会室。今日は誰もいないはずだから」
「そっか」
生徒会室に入ると、言われた通り誰もいなかった。
私は作ってきたお弁当を、犀川くんはコンビニで買ったらしいパンを机に広げる。
何を話していいかわからなくて、静かにお弁当を食べ始める。犀川くんもパンの袋を破って、グラタンパンを食べている。
「急に一緒にお昼って、どうしたの?」
そう聞くと、犀川くんは少し考えてから口を開く。
「ちょっとこれから、一緒に帰れなくなりそうだから。会っとこうかなと思っただけ」
その言葉に、思わずキュンとしてしまった。
一緒に帰れなくなりそうだから、私に会っておこうと思ってくれたってこと?会いたいって、思ってくれていたってこと?



