真夜中に恋の舞う




「……ジョーくん、は、犀川くんのことよく知ってるの?」


「うーん、萌乃ちゃんよりは知ってると思うよ」


「そっか……」


「知りたい?犀川深雪のこと」


「……」





黙っている私を見ていたじジョーくんが、不意に目を丸くした。

その視線の先……窓の外を見て、私もぎょっとする。






「さ、犀川くん……」






窓の外には、いつもの王子様スマイルとは違って、怖い顔をしているし犀川くん。


逃げ出す間もなく、犀川くんはツカツカと店内に入ってきて、私の前に立って私を見下ろした。





「何でコイツといるんだよ。おい、お前何した?」





犀川くんは、不機嫌な顔でジョーくんを睨みつける。

ジョーくんはへらりと笑って、「友達になったんだよねー」と私に問いかける。



私は犀川くんから目を逸らすことしかできない。

犀川くんは、小さく舌打ちをして私の手首を掴んだ。