「全然何もしてないって」

「怪しいなぁ」




しばらくはるちゃんと喋りながら手を動かしていたら、やっと課題が終わった。

2人で外に出て、家に帰る。




「じゃあ、また明日ね」

「ばいばーい」




駅の近くではるちゃんと別れ、家に向かって歩いていると、ポツポツと雨が降り始めた。

確かに、さっきから空が暗いような気がしていた……!


慌てて走ったけれど雨足がどんどん強くなるので、とりあえず雨宿りのために公園前の、自販機の上に小さな屋根がついている休憩所のようなところに入る。


雨は凌げたけれど、止むのを待っていたらいつになるかわからない。

もう家に帰るだけだし、濡れて帰るのも仕方ないかと、足を踏み出そうとした時。




「お姉さん、傘入っていく?」




目の前から歩いてきた高校生の男の子に話しかけられて、驚いて顔を上げる。


学ラン……ってことは、北高校の生徒だろうか。この前文化祭で襲ってきた男の子たちと同じ制服で、少し身構える。